Intelの新型グラフィックス「Arc 140T」がGFXBenchで注目を集めている。現行のArc 140Vと比較し、最大70.7%もの性能向上が確認されており、モバイル向けプロセッサの競争力を大幅に高める可能性がある。
Lunar Lakeプロセッサ向けの140Vが省電力志向である一方、140TはArrow Lake-H/HX向けに設計され、より高性能な用途に対応する模様だ。また、新型モデルには高性能トランジスタの採用が示唆されており、周波数向上も期待される。Intelの戦略的な製品展開と技術進化が、今後のiGPU市場にどのようなインパクトを与えるのか、業界の注目が集まっている。
Arc 140T、Arc 140Vとの比較で最大70%の性能向上
Arc 140Tは、GFXBenchのテスト結果によってその高い性能が明らかになった。Arc 140Vと比較すると、性能向上率は最大で70.7%に達し、Aztec Ruinsのオフスクリーンテストではそのパフォーマンスの差が顕著であった。
特に通常品質の設定において、Arc 140Tは一貫して高いフレームレートを維持し、快適な動作を実現している。しかし、高品質設定では性能差はやや縮まり、Arc 140Tの優位性は17.74%に留まった。それでもなお、この性能向上は目覚ましいものであり、Intelのモバイル向けGPUが大きな進化を遂げていることを示している。特に、省電力モデルである140Vとは異なり、140Tは性能を重視した設計が施されている点が注目される。
Lunar LakeとArrow Lakeプロセッサで異なるターゲット展開か
Arc 140TとArc 140Vはどちらも8つのXe2コアを搭載しており、基本的な構成は共通している。しかし、これら2つのモデルは異なる用途に向けて設計されていると見られている。Arc 140VはLunar Lakeプロセッサに搭載され、省電力性能を最大化することが求められる一方で、140Tは性能を重視するArrow Lake-HやHXプロセッサ向けに最適化されているようだ。
このことから、Intelは異なる市場セグメントに応じた戦略を採用していると考えられる。省電力志向のLunar Lake向け製品と、性能を重視するArrow Lake向け製品を並行して展開することで、Intelは幅広いニーズに対応する体制を整えていると言える。