Intelが準備中の新モバイルCPU「Raptor Lake Refresh」の詳細がリークされた。今回明らかになったのは、HシリーズとUシリーズに分かれる合計7種のプロセッサである。 Hシリーズは最大14コア・5.8GHzのブーストクロックを誇り、ゲーミングや主流ノートPC向けに設計されている。一方、Uシリーズは高い省電力性能を備え、エントリーモデルやウルトラブックへの搭載が見込まれる。 これらの新CPUは、来年前半に予定される「Arrow Lake」プロセッサの発売に合わせて登場する可能性が高い。

Raptor Lake Refreshのラインナップ詳細

Intelの新型モバイルCPU「Raptor Lake Refresh」は、HシリーズとUシリーズにまたがる計7つのモデルで構成される。最上位モデルは14コアを搭載したCore 270Hで、6つの高性能コア(P-core)と8つの効率コア(E-core)から成り、2.1GHzの基本クロックと5.8GHzのブーストクロックを誇る。 その他のHシリーズには、Core 250H(5.4GHz)、Core 240H(5.2GHz)、Core 220H(4.9GHz)、およびCore 210H(4.8GHz)が含まれ、それぞれ異なる性能とコア構成を持つ。

また、Uシリーズは主に省電力性を重視し、2つのモデルが用意されている。 UシリーズのCore 250UとCore 220Uは共に10コア(2 P-core + 8 E-core)を搭載し、ブーストクロックはそれぞれ5.4GHzと5.0GHzに達する。これらの仕様は、モバイル市場での幅広いニーズに対応するために設計されている。

高性能と効率性の両立—HシリーズとUシリーズの比較

Raptor Lake RefreshのHシリーズは、主に性能重視のノートPCやゲーミングラップトップ向けに設計されている。特に14コアを搭載するCore 270Hは、複数のタスクを同時に処理できる能力を持ち、ブーストクロック5.8GHzに達するなど、ヘビーな処理にも対応可能だ。 一方、Uシリーズは高い省電力性能を備え、超薄型ノートPCやウルトラブックに最適化されている。

Core 250UとCore 220Uは10コア構成ながら、基本クロックはそれぞれ1.1GHzと0.8GHzと控えめであり、効率性を重視する設計となっている。 これにより、Intelは高性能モデルと省電力モデルをラインナップ内で明確に分け、ユーザーの利用シーンに応じた柔軟な選択肢を提供している点が特徴である。

ゲーミングとウルトラブック市場に向けた新CPU

IntelのRaptor Lake Refreshは、ゲーミング用途やハイパフォーマンスを求めるユーザーに向けて、Hシリーズを充実させている。Core 270Hを含む複数のHシリーズプロセッサは、高負荷のゲームやクリエイティブ用途での使用を前提としており、これらの分野で競争力を高めることが期待される。 一方、UシリーズはエントリーレベルのノートPCやウルトラブック市場向けの製品であり、長時間のバッテリー駆動を実現することを目的としている。

これにより、持ち運びが多いビジネスユーザーや学生にも適した選択肢となっている。 Intelは市場の多様なニーズに応え、高性能から省電力まで幅広い製品ラインを整備することで、ゲーミングPCとウルトラブック市場の両方でのシェア拡大を目指している。

リリース時期と今後の展望

Raptor Lake Refreshシリーズは、2024年内もしくは2025年前半に登場する可能性が高いとされている。特に、同時期に予定されている「Arrow Lake」CPUシリーズのリリースと連動する形で市場投入が期待されている。 すでに一部の「Lunar Lake」搭載ノートPCが販売されていることから、Intelの次世代プロセッサ群が段階的に市場に投入される流れが見えてきている。

また、デスクトップ向けの「Arrow Lake」チップもまもなく市場に登場予定である。 これらの新製品によって、Intelは競合するAMDやAppleとのシェア争いを強化し、特にノートPC市場においてさらなるプレゼンスを発揮することを狙っている。