Intelの次世代デスクトップCPU「Core Ultra 9 285 Non-K」が新たなベンチマーク情報で注目を集めている。このCPUは65Wの省電力設計で、最大5.6GHzのブーストクロックを持つ。既存の285Kモデルよりもクロック周波数は低いものの、電力効率を向上させた点が特徴だ。

リークされた結果では、シングルコア性能が5%向上し、マルチコア性能は40%の大幅な伸びを示している。Intelは今後の正式発表に向け、さらなる情報が期待される。

次世代Arrow Lake-Sアーキテクチャと電力効率

Intelの次世代CPU「Arrow Lake-S」シリーズは、省電力設計と高性能を両立させる新しいアーキテクチャが特徴である。前世代と比較して、消費電力の削減が大きな強みとなっており、デスクトップCPU市場においてさらなる競争力を持つことが期待されている。特に、65Wという低TDP(熱設計電力)での性能向上が実現された点が注目される。Intelはこの低消費電力を積極的にマーケティングしており、ゲーミングPCやクリエイター向けPCにおいて電力効率の向上が重要な要素となっている。

消費電力を抑えつつ、冷却負荷の軽減や稼働音の低減など、エンドユーザーにとってのメリットが大きい。これにより、環境負荷を軽減しつつも、高負荷時のパフォーマンスを犠牲にしない設計が可能になる。今後、これらの省電力モデルが「K」モデルと比較してどの程度の性能を維持できるかが焦点となる。Intelは次世代モデルを来年1月にも正式発表するとされており、今回のリークがその実力を示す一端となっている。

「285 Non-K」と「285K」の性能比較

IntelのCore Ultra 9 285 Non-Kは、285Kモデルと同じく24コアを搭載しているが、クロック周波数がわずかに低く、TDPも65Wに抑えられている。285Kが最大125WのTDPで設計されているのに対し、Non-Kモデルはその半分近い電力で動作するため、より冷却が容易であり、低消費電力PCに適している。ブーストクロックは285Kが5.7GHzであるのに対し、285 Non-Kは5.6GHzに設定されている。

Geekbench 6の結果によれば、シングルコア性能は285Kとほぼ同等のスコアを記録しており、通常利用において性能差はほとんど感じられないと考えられる。一方、マルチコア性能ではやや劣るが、それでも大幅なパフォーマンス低下は見られない。これらの違いにより、285 Non-Kは価格と消費電力のバランスを重視するユーザーにとって魅力的な選択肢となり得る。特に、過剰なオーバークロックを必要としないユーザーや、静音PCを求める市場で人気を集める可能性がある。

シングル・マルチコアでのスコア向上の詳細

Geekbench 6の最新リークによると、Core Ultra 9 285 Non-Kのシングルコアスコアは3245ポイント、マルチコアスコアは20078ポイントに達している。この結果は、以前のリーク時点での3081点(シングル)および14150点(マルチ)から大幅な向上を示している。特にマルチコア性能では、約40%の飛躍的な改善が見られた点が注目される。この向上の理由として、全てのPコアおよびEコアを解放した状態でのテストが行われた可能性が指摘されている。

285 Non-Kは通常、65WのTDPで動作するが、使用するマザーボードや設定によっては、さらに高い性能を発揮する余地があるとみられている。これにより、ゲームや映像編集といった高負荷な用途においても、十分なパフォーマンスを提供できることが期待される。Intelが公式に発表していないため、実際の製品版で同様の性能が実現するかは今後の検証が必要である。しかし、このリークが正確であれば、285 Non-KはKシリーズに匹敵する性能を低消費電力で提供する、非常に魅力的なCPUとなる。

競合Ryzenとの対決と発売時期の予測

IntelのCore Ultra 9 285 Non-Kは、AMDのRyzenシリーズと激しい競争を繰り広げることが予想される。Ryzen 9 9900Xや9700Xといった競合モデルと比較すると、シングルコア性能では同等かそれ以上の結果を示しており、価格面でも優位に立つ可能性がある。特に、今回のリークスコアが示すように、285 Non-Kの性能は上位モデルであるRyzen 9 7950Xに近づいている。

マルチコア性能では若干の差が見られるものの、日常的なタスクやゲーミングにおいては体感できる差は少ないと考えられる。この点で、Intelが提供するコストパフォーマンスの高さが際立っている。Intelは次週に予定されている200Kシリーズの発表を控えており、285 Non-Kを含む新モデル群の正式な発表は来年1月と見られている。今回のリークが示唆する性能を踏まえれば、Intelの新シリーズはAMDの牙城を崩し、デスクトップCPU市場でのシェア拡大を狙う重要な一手となるだろう。