Intelの最新CPU「Core Ultra 9 285K」が、従来のフラッグシップ「Core i9-14900KS」を超える性能を示した。Cinebench R23のベンチマークテストにおいて、6%の性能向上を達成しながら消費電力は250Wに抑え、従来モデルよりも効率的なパフォーマンスを実現している。

このCPUは「Arrow Lake」シリーズの一部として10月24日に発売される予定で、24スレッドで動作するにもかかわらず、32スレッドのモデルと互角に競合する点が注目されている。また、温度管理も向上し、消費電力削減とともにプロセッサーの安定性も高められている。Intelは、今回のモデルが新しいZ890マザーボードとともに提供され、高速メモリーサポートや電力管理機能の強化をもたらすと発表した。

Core Ultra 9 285Kの性能と消費電力の改善

Intelの「Core Ultra 9 285K」は、250Wという抑えた消費電力で高い性能を発揮する点が特徴である。Cinebench R23のテストでは、前世代のフラッグシップモデル「i9-14900K」と比較して10%、さらに「i9-14900KS」と比較して6%の性能向上を達成した。これらの数値は、単なるパフォーマンス強化にとどまらず、効率の向上を示している。

特に注目すべきは、CPUのスレッド数が24と少ないにもかかわらず、i9-14900Kおよび14900KSの32スレッドと対等に渡り合う点である。クロック周波数もi9シリーズが最大6.2GHzを誇るのに対し、285Kは5.7GHzにとどまる。それにもかかわらず、全体的なスループットで優位に立っていることが示されている。この結果から、Intelが新世代の「Arrow Lake」シリーズにおいて、単なる性能競争に頼らず、より効率的で低消費電力の設計に焦点を当てていることがわかる。これにより、同じ消費電力下でもより安定したパフォーマンスが期待できる。

「i9-14900KS」との比較—6%の性能向上を達成

「Core Ultra 9 285K」は、Intelの従来のトップモデルである「i9-14900KS」との直接比較でその優位性を示している。Cinebench R23のベンチマークテストにおいて、「i9-14900KS」の極限モードが300W以上を消費する一方で、285Kは250Wで6%高いスコアを記録した。この結果は、より少ないエネルギーで高いパフォーマンスを提供する効率的な設計を裏付けるものである。

また、CPU温度に関しても285Kは平均59℃、最大76℃と、i9シリーズの100℃を超える高温に比べて大幅に改善されている。冷却方式の詳細は不明だが、BIOSの調整を除き、クロック速度には大きな変更が加えられていないことも報告されている。これにより、性能重視のユーザーだけでなく、省電力と安定性を求めるプロフェッショナルな現場にも適した選択肢となるだろう。消費電力と熱管理に優れる285Kは、長時間稼働するシステムやデータセンターにも有用である。

高温対策と消費電力削減で大きな進歩

「Core Ultra 9 285K」は、従来のRaptor Lake世代のCPUに比べ、消費電力と発熱の両面で大幅な改善を実現した。i9-14900Kや14900KSが高性能モードで250Wを超え、最大300W以上を消費するのに対し、285Kは250Wのプロファイルで安定した性能を発揮している。また、消費電力が188W削減されるとともに、温度も最大で17℃低下している点が特筆される。

この進化は、プロセッサーの持続可能性を高める上で重要な要素である。発熱の低減は、冷却システムの負担を減らし、静音性の向上にもつながるため、ゲーム用PCからワークステーションまで幅広い用途で恩恵がある。また、省エネルギー性能の向上は、電力消費が課題となるデータセンターの運用にも適している。Intelは、次世代の「Arrow Lake」シリーズでこのアプローチをさらに進めていくと見られる。効率性と持続可能性に焦点を当てた設計は、今後の競争においても重要な鍵となるだろう。

発売日とラインナップの詳細

「Core Ultra 9 285K」は、2024年10月24日に正式リリースされる予定である。このモデルの他に、「Core Ultra 7 265K」や「Core Ultra 5 245K」も同時に登場し、幅広いユーザー層をターゲットにしたラインナップが展開される。これらのCPUは、新しいZ890マザーボードとともに提供され、最新のメモリー技術や電力管理機能が搭載される。